御存知のように、歯の治療は、歯科医と患者さんが、会話を通してお互いに意志の疎通をはかりながらすすめていくことが大切です。
しかし人間が年齢を重ねると、自分の意志を充分相手に伝えられなくなってしまうという、残念なことが生じます。
ですから、そうなると適切な治療を受けることが困難になりますから、そうなる前にしっかり歯の治療をしておくことが大切です。
またある調査では、ご高齢者の内、自分の歯で噛んでいる方の80%、入れ歯で噛んでいる方の60%が、一人で外出することができるのに対し、よく噛めないまま放置している方では、30%の人しか元気に出歩くことがきない、という結果が出ています。
従って、噛めないまま放置されますと、実際の年齢より早く身体の衰弱が進んでしまうために、痴呆症や寝たきりの原因になってしまいます。
逆に、痴呆症の方や寝たきりの方が、歯の治療をお受けになって、食べる楽しみを取り戻された結果、元の元気な身体を取り戻された、ということもよく耳にします。
ですから、噛めない方は、お元気なうちに1日でも早く、歯科の治療をお受けになるほうが良いと思います。
また、おじいちゃんやおばあちゃんが寝込んでしまわれた場合、入れ歯やお口の汚れが原因と思われる肺炎が起こったりします。ですから御家族の方にも万一に備えて、毎日の入れ歯や、お口の手入れの方法を知っておいて頂けたらうれしいのですが・・ |