歯ぐきからの出血を引き起こす病気

歯周病
歯周病は、歯の周りに付着している歯ぐきが、汚れや細菌(歯周病菌)の出す毒素によって剥がれて行く病気です。 (この様に、歯の周りから起こる病気なので“歯周病”と言います。)この時、歯ぐきに炎症が起こるので、歯磨きの時に出血したりします。また、歯ぐきというバリアーを失った歯は無防備となり、細菌は歯と歯の間を、更に深いところまで進行して行きます。そのため、歯ぐきが完全に破壊される前に何らかの手段を講じる必要が有ります。しかし、歯周病は自覚症状が出現しにくいので、“気付いた時にはすでに病気がかなり進行してしまっている“ということがよく有ります。ですから、歯の調子が良くても、悪くても、定期的に検査をお受けになるようお勧めいたします。 

血友病
血液が固まるのに必要な成分が欠乏しているために起こる病気です。歯ぐきからの出血や鼻出血を伴うことが多いです。お心当たりのある方は、内科を受診し、血液検査をお受け下さい。また、歯科治療においては、抜歯などの出血を伴う処置も有りますが、血友病は止血が困難な疾患です、治療をお受けになる際は、あらかじめ歯科医に申し出られると共に内科の先生の連絡先をお教え下さい。

血小板減少性紫班病  
血液中の血小板が減少するために起こります。(お子さまでは数週間から数ヶ月で治癒する急性のものがよく有ります。)歯ぐきや鼻からの出血の他、手足に紫班(青あざ)がよくできるのが主な徴候です。お心当たりのある方は、内科を受診し、血液検査を行って下さい。また、歯科治療においては、抜歯などの出血を伴う処置もよく有ります、紫班病は、止血が困難な疾患ですから治療をお受けになる際は、あらかじめ歯科医に申し出られると共に、内科の先生の連絡先をお教え下さい。 

白血病  
骨髄(こつずい)やリンパが冒される為に、正常な血液を造れなくなってしまう病気です。小さな傷でもすぐに化膿したり、鼻出血が頻繁に起こったり、歯をきれいに磨いているにも拘わらず、歯ぐきからの出血が止まらないといった徴候が見られます。お心当たりの方は、すぐに内科での血液検査をお受け下さい。また、歯科治療においては、抜歯などの出血を伴う処置も有りますが、白血病は止血が困難な疾患ですから、治療をお受けになる際は、あらかじめ歯科医に申し出られると共に内科の先生の連絡先をお教え下さい。

再生不良性貧血
骨髄の血液を造る働きが弱いために起こります。歯ぐきや頬(ほっぺ)の粘膜からの出血や壊死( 細胞が死んで行くこと)を起こしたりします。また、お口の中の雑菌によりお口の中がただれたりすることも有ります。お心当たりのある方は、内科を受診し、血液検査を行って下さい。歯科治療においては、抜歯などの出血を伴う処置も有りますが、この疾患は止血や傷の治りが困難な疾患ですから、治療をお受けになる際は、あらかじめ歯科医に申し出られると共に、内科の先生の連絡先をお教え下さい。

ネフローゼ症候群
幼児期に起こることが多いです。まぶたや足のむくみで気付いたりします。尿にタンパクがおり、傷がよく化膿を起こしたり、治りが遅かったりします。歯ぐきや鼻の粘膜から出血したりもします。骨折を起こし易いので注意が必要です。お心当たりのある方は、内科を受診し、血液検査を行って下さい。歯科治療においては、抜歯などの出血を伴う処置も有りますが、この疾患は止血や傷の治りが困難な疾患ですから、治療をお受けになる際は、あらかじめ歯科医に申し出られると共に、内科の先生の連絡先をお教え下さい。

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